IPUT電子工学研究会による様々な研究結果をおいておくところ

アンテナのインピーダンスと波長


アンテナとは空中線とも呼ばれ、電波を放射したり、逆に電波をとらえるための装置です。アンテナの大きさは扱う電波の波長に比例します。
電波の波長λは光速度cを周波数Fで除算すると得られ、電波の場合は以下の式で簡易的に計算できます。

λ = 300 / F

ここで、λは波長[m]で、Fは周波数[MHz]です。例えば、21MHzの電波の波長は 300 / 21 ≒ 14.3[m] です。
例えばダイポールアンテナはその全長がλ/2となるので、21MHzのダイポールアンテナの長さは約7.15mとなります。
この時のダイポールアンテナのインピーダンスは約73Ωとなります。回路的には純粋な抵抗ですが、抵抗と異なるのはアンテナで消費された電力は熱ではなく電波となることです。

さて、アンテナの長さは必ずしも波長ぴったりにしなければいけないわけではありません。
アンテナを波長より短くすると、アンテナのインピーダンスが低くなり、キャパシティブとなり、利得が低下します。逆に長くするとインピーダンスは高くなり、インダクティブになります。
インピーダンスが低いと給電線に流れる電流が大きくなるので、損失が問題になります。また、キャパシティブとなったのを補うため、ローディングコイルをつける必要があります。
また、アンテナのインピーダンスとリアクタンスは周囲にある物によって変わるので、ローディングコイルは固定のものと可変のものを用意し、インピーダンス整合器も調整可能とするといいでしょう。

アンテナの構造から正確なインピーダンスとリアクタンスを計算するのは困難ですが、MMANAというソフトを使うと簡単に目安の値を求めることができます。

平衡、不平衡とバラン


ダイポールアンテナは平衡型であり、アースが不要です。なのでアースが取れない背負い型無線機に向いているとは思いますが、アンテナには平衡給電しなければなりません。
自分が設計している回路では不平衡出力なので、直接繋ぐのは無理です。そこで平衡不平衡返還を行うバランを使います。ここでは強制バランの話をします。

強制バランは一種のオートトランスで、一般にトロイダルコアを使います。この時の巻き数は、給電線のインピーダンスの6~10倍程度のインピーダンスを持つようにして決めます。
巻き数が多ければ低い周波数まで使えますが、代わりに線間容量のために高域での損失が多くなるようです。

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