IPUT電子工学研究会による様々な研究結果をおいておくところ

真空管の持つ各パラメータの測定


真空管は回路素子であり、真空管が持つμ、gmや電極間容量などの様々なパラメータは、その真空管をどのような回路に使うことができるかなどを検討するのに必要です。
普通は設計時に計算によりどれくらいの値になるかを出して検討しますが、真空管では実測値と理論値がよくズレるので、実際のパラメータを予測するのは困難です。
なので、試作した球を実測して、実用範囲に収まっているかどうかを確認しないといけません。
そのほか、同じ寸法で組み立てた真空管であっても様々な要因でパラメータにバラツキが出ますから、それが許容範囲に収まっているかを確認しなければなりません。

測定すべき真空管のパラメータは、主に以下の通りです。

  • ショート

組み立て時の不備や熱による変形などで、各電極が短絡していないことを確認します。
  • フィラメント電力

定格の電圧をかけた時に定格通りの電流が流れるかを測定します。
フィラメントの電力はその温度に影響をもたらしますが、温度が高いと過電流や寿命減の原因となり、
温度が低いとgmの低下や飽和電圧の低下をもたらします。
フィラメント電力を規定通りにするには、フィラメントの長さを一定にすることが重要です。
  • エミッション電流

定格電圧でフィラメントを点火して、各電極に規定の電圧をかけた時、規定のカソード電流が流れるかを測定します。
真空管が健康なことの確認となります。
  • 逆電流

電極に負の電圧をかけた時、カソードから電極に向かってどれくらいの電流が流れるかを測定します。
これは真空管内部の真空度の程度を表すもので、逆電流が大きいほど真空度が悪いことになります。

0V付近の電圧でカソードへ電流が流れるのは初速度電流といって逆電流とは別です。
  • リーク電流

フィラメントを点火せずに各電極に電圧を印加した際に、どれくらいの電流が流れるかを測定します。
ステムやマイカなどの絶縁体にゲッターなどの金属が付着するとリーク電流は大きくなります。

また、フィラメントを点火して真空管の動作させた時にガラス部の温度が上がると、
そこに封じられている金属線の間にリーク電流が流れ、最終的に短絡します。
電子流との区別をつけるため、負電圧をかけて測定する必要があります。
  • 三定数
  • 電極間容量

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