IPUT電子工学研究会による様々な研究結果をおいておくところ

実験用真空管の作り方


実験的に簡単な真空管を作りたい場合、大量生産の方法を用いるのが向いていないことがあります。
この項目では、特に簡単な二極管の作り方を書いていきます。

T字管法




太めのガラス管に細めのガラス管を側管つなぎしてそれを排気管とし、残りの2端にそれぞれプレートとフィラメントを入れて溶着する方法。
ここでは、太めのガラス管には9mmくらいの管を、細めの管には6mmのものを使う。
作り方

電極(プレートとフィラメント)は上の画像のように作る。
プレートは10 x 5 mm くらいの薄いニッケル板を 50 mm くらいの長さのデュメット線に溶接し、
フィラメントはタングステンの細線を「つ」の字に曲げたデュメット線の先端にかしめるか溶接し、直線に10mm張る。
電極やフィラメントを溶接したりかしめるとき、デュメット線の先端をヤスリで磨いておくと接触不良や溶接不良が起きにくい。



排気管は直径6mmのガラス管を150mmくらいの長さにとって両端を軸出しし、切り離し部分のしぼりとゴム留めをつくっておく。

しぼりを作るとき、ガラス管を細い青炎の上で回し続けると柔らかくなり、徐々に肉厚が増してくるので、そうなったら少しだけ引き伸ばし、
引き伸ばした部分の直径が内径の3倍くらい(肉厚と内径が同じくらい)になるようにするとよい。
排気管のしぼりは管球から 3 ~ 4 cm ほど離れたところに作るようにすると、排気管の切り離し時のバーナーの熱でガラスが割れることが少なくなる。
ゴム留めを作るのはしぼりと似ているが、柔らかくなったところで押し縮める点が異なる。

しぼりとゴム留めができたら、しぼり側の端を吹き破って側管つなぎする口を作り、ゴム留め側の端は切断して焼き縮めておく。

管球部分は直径9mmのガラス管を80mmくらいの長さにとって軸出しし、
排気管を側管つなぎしたら十分に焼きなましして両端を切って電極を入れる口を開けておく。

電極の導入線を溶着する時は、まずフィラメントを溶着し、次にプレートを溶着する。溶着したら、電極同士が接触していないかをよく確認する。
導入線を溶着する時はガラスをよく溶かし、ペンチで一気につぶし、再び溶かす。冷やす時は空気を少なくした黄色炎のなかで行い、ゆっくり冷やすと割れることが少ない。

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